商品企画部当時、静電気を発生させないガラス搬送システムとして、Air浮上コンベヤ（FFUでガラスを浮上）を商品化しました。しかし、駆動源としてどうしてもガラス端部のみ搬送ローラーを接触させる必要があり、その接触部に発生する静電気を抑える必要がありました。その課題を解決するには、搬送ローラー間に入る「細いサイズ」、「エアレス」であることが必須でした。その課題を解決するべくイオナイザーの市販品を探しましたが見つけることが出来ませんでした。そこでフィーサさんのホームページを見つけ、イオンブレードを活用すれば、課題を解決出来ると思い、問い合わせをしました。

課題を解決するには、ガラス裏面（下側）からの除電が必須であり、一般的なバータイプではスペースに入らず、より細い形状のイオナイザーが必要でした。
フィーサさんにはイオンブレードがあった為、サイズの制約などはすぐにクリア出来、製品化出来たと思います。
当初はAir浮上コンベア用の「専用イオナイザー」として完成し、ガラス端部の裏面を除電出来るイオナイザーとして歩留まり向上に貢献をしていきました。ここまでは、半年程度の期間でした。

ここからが、フィーサさんの並々ならぬ粘り強い製品開発のスタートであったと思っています。
新型トランスの開発、イオンバランス検知回路、イオン発生部の個別制御など、要求スペックを達成するために幅広い新技術の開発と、データを取っては、フィードバックをすることを繰り返しました。CEマークも要求仕様に含まれており、この開発には3年近い期間が掛かりました。

完成した製品(Ion/D-TNシリーズ：詳細はユースケースを参照→ダイフク様向け　イオンブレード搭載バータイプイオナイザー（Ion/D-TNシリーズ）)は、FPD製造のトップメーカーなどへも採用され、歩留まり向上に貢献しています。
1年間ノーメンテナンスで除電性能を維持するなど、高い評価を受けています。

FPD関連はもちろん、フィルムや紙などの無風、近接で使用することで効果が期待される市場への展開を進める計画です。この製品と裏面除電の重要性をもっと世の中に広めていきたいと考えています。